潜入!!あのテスラへ行ってみた話

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10月のとある休日。行ってきましたよ。
まさに小春日和というか、ちょっと汗ばむ気温でしたが、絶好の潜入日和。私は、今までほとんど「ミステリーショッパー」をしなかったんですが。。。この自動車メーカーだけは知っときたかったんです、乗りたかったんです。

なぜか!?

1、岐阜には正規ディーラが無いのに最近、岐阜市内でよく見かける(しかも、平日に)。

2、電気自動車メーカーで、現在2022年時点で世界トップの販売台数。

3、販売方法はオンライン販売のみ。



1、は実感としてテスラが岐阜でも増えてきてると感じます。特に平日に結構見かけるのがポイントで、お買い物や家族の送迎など日常使いを前提にテスラを購入しているハズ。これはテスラが特別なクルマではなく、他のクルマメーカー同様定着し始めているの証ではないか!?
そして岐阜地域には「テスラ正規ディーラー販売店」は無い。更に、正規修理工場だって無い。最寄りといえば名古屋市にしか無い。

「サービス拠点が近くにあるから、日常使いでも安心」が、テスラには通用しないのか!?
なのに購入する人がいる。なぜだ?


2、岐阜市内でもテスラを見かけることが多いということは、世界規模でも増えてるってことです。調べてみると2022年1月から9月時点の販売台数は90万台を超えています。また今年8月までの数字で比べると、あのマツダさんの販売台数を超えているというのです。テスラは最近フォルクスワーゲンの本拠地、ドイツ工場も稼働させ、2022年間販売台数は最高台数に達する見方が強くなっていると言いわれています。

イーロンマスク氏の言動に世界中の人たちがなびいているのか、またはクルマ大国のドイツ人ですら認めてしまう程のクルマなのか?なぜだ?


3、通常クルマの購入といえば、対面でディーラーで購入商談を行うのが一般的だと思いますが。テスラは「オンライン販売のみ」。名古屋市内にショールームがあるものの、店舗内での購入手続きは結局、パソコンやタブレットで行う。対人販売を行っていない。しかも、ショールームのみでメンテナンス工場はありません!せっかく購入した愛車の点検や車検はいったいどこへ入庫すればよいのだろう?
テスラのアフターサービスが気になる。

試乗前のテスラ「モデルY」

ということで、オンラインからの試乗申込を行って名古屋市中区?昭和区?違うか、千種区でした。の、吹上にあるテスラ名古屋のショールームを訪れました。

テスラ名古屋へは2度目の訪問です。実は今年の春に「モデル3」の試乗で伺ったことがあるのです。で、今回試乗リクエストをした車両は「モデルY」。サイズ感や価格で近いのが「モデル3」。モデル3はスポーティーなセダン型に対して、モデルYはモデル3をややサイズアップさせ特に全高が高くなったいわゆるSUV型と言ってよいと思います。

正直、モデル3はアクセルを踏み込んだ直後からの太い加速感は大変良くて驚いたのですが、フロア下のバッテリーの分だけかな?その厚みの分だけ車内が狭くて。特に後席は残念でした。他はテスラらしく、またアメリカのメーカーらしく良くも悪くも、って感じです。

その点、全高にゆとりが出来た「モデルY」。多分広いんだろうなあ~。そんな事をイメージして入店です。ちなみに街中にあるテスラ名古屋は専用駐車場がありません。車で行く場合は近隣のパーキングへ。電車で行く場合は、地下鉄「吹上」駅が最寄りです。(徒歩約8分)。今回は電車を利用しました。

この日は展示車が2台ありました(モデル3)。オンライン中心なので紙類の掲示物は無し。

試乗は事前予約制なので、入店後は他ブランドと同じ手続きで簡単に済ませます。テスラのスタッフさんは特にスーツを着ているわけでなく、フォーマルなスニーカーにけっこうカジュアルな容姿で対応してくれます。なんとなく、アップルストアに近いイメージですね。(個人の感想です)

試乗前の「モデルY」

さあ、ここからは、何かと世界が注目している「テスラ」の試乗で感じた事を私なりお伝えしたいと思います。基本的にVW目線が入ったレビューになると思います。

◇まず、モデルY、間近で見るとデカい!
テスラ独特のデザインもあってか、確かにモデル3より横幅も高さも大きい為でしょう。そのフォルムはずんぐりした体型です。ずんぐりした分、車内は広そうな期待感。では、カードキーを受け取って、クルマに乗り込みます。ドアの取っ手は、モデル3の時に覚えたので、すんなり開きました!

車内の雰囲気は、”ハンドル”と”画面”って感じです

◇Model Yに乗り込んだ第一印象
モデル3の試乗時にも感じたんですが、乗り込むと運転席周りは「何も無い」。もちろん無いわけでは無いのですが、目に飛び込んでくるのはデカいモニター(約15インチ)とハンドルのみ。よーく見ても、エアコンダクトらしいモノも見つからない。さあ、今から出発するのですが、一体どこを操作すればこのクルマは動き出してくれるのかな!?「ニンジャー」って声で反応するのかな?いろんな事を考えるわけで・・・。
で、カギは「カードキー」か「スマホ」です。
ということで、話題のテスラを走らせてみましょう!

多くの操作を、画面に集約。まるでノートパソコン

さすが、走行中は撮れないので、あいま、合間の写真で紹介します。

◇さすがモーター!めちゃ、スゴイ加速
試乗コースはスタートから3車線の大通りを東進します。交通量の多い街中なので、なかなか速度は出せませんから、見通しの良い交通状況のタイミングでアクセルをそこそこ踏み込んでみました。とたんに、もの凄い加速。そこそこ車重はあるはずなのに、リニアに速度が出ます。ちょっとモーター作動音なのか気になりましたが、それ以外の回転音といえばロードノイズくらい。他は、並走するクルマのエンジン音が聞こえるほどです。要は走行していても信号待ちで停車していても静かです。もちろん電気自動車独特の音は出てますので、個人差でそれが気になるかもしれませんね。


◇モーターの特性、加速減速はアクセル操作のみ
国産の電動車のTVCMでも謳っていますが、エンジンカーと違い、アクセルの踏み込み加減で速度コントロールが出来ちゃうんです。テスラもそれが標準機能なのか、試乗中はこの機能で走行しました。最初はクセでブレーキペダルで減速させてしまいますが、慣れてくるとコレはコレで具合よく前後の流れに合わせられるようになりました。

◇サスペンションはやや硬いかな?
名古屋市中心部の道路ですから、十分に整備された道路です。なかなか凸凹路面が無い。それでも時々、小さな凸凹路面を通過した時気付いたのは、サスペンションがやや硬いのかな?グローバル処方で、平均速度の速い国にも通用する味付けになっているのか、または車重(1930Kg)がエンジン車に比べると重い分、強化されたサスペンションにしてある為か。硬すぎることはなかったですが、ドイツ車に比べるとコシが無いイメージかな。


Model Yの後席は十分な広さだと感じました。(個人の感想です)

◇ずんぐりボディで、車内空間は十分。
今回の試乗はモデルY。テスラの中でどっちか言うとコンパクトなタイプです。
といっても、
全長が4m75cm。全長はパサート並み。
横幅が1m92cm。シャランとほぼ同じ。
全高は1m62cm。ティグアンとT-Rocの中間。
フォルクスワーゲン車と比べても、比較的大きいですね。

以前、試乗した「モデル3」。
実は、後席の狭さにガッカリしたのです。狭すぎる!原因は車体フロア下にぎっしり収められているバッテリーの厚みではないかと思います。
ちなみにモデル3、助手席も足元の奥、壁の立ち上がりが厳しくて、広いようで意外と窮屈だったんです。

で、今回試乗モデルY、後席を含め広さをチェックしてみました。

早速、気になる後席は、十分な広さだと思いました。これなら、同乗者にもゆったり乗れるなあって。もちろん、運転席の広さも十分です。

◇ラゲッジルームは、広い。
エンジンが無く、その他周辺装置が少ない電動車。テスラはその電動車の中でも荷室が広いと思います。あの後席が狭いモデル3ですらラゲッジルームに関しては広かったですから。しかも、フロントのボンネット内にも小ぶりの荷室があるので、そのあたりは部品びっしりのエンジン車と違い、電動車ならではの構造ですね。モデルYに関しては全高の高さを生かした十分な荷室容量を持っています。

15インチディスプレイ、もはやノートパソコン並みのサイズ

◇コレはスゴイ!Teslaの高性能さを知る
最初に試乗したモデル3。最も驚いたのが、写真にある「15インチディスプレー」で表示される情報量の凄さ。モデルYも同様だったんですが、正直、フォルクスワーゲンの3倍以上、高性能です。※個人的な表現です。


・3倍以上とは、あくまで表現でしかないのですが、その程、スムーズでした。
アイコンのタッチレスポンスが早く、ストレスが無い。

・上の写真の画面に対して右側は、走行車線前方をグラフィック化したものです。
テスラの自動運転技術(日本は現在対象外)はカメラの画像データを処理してクルマを制御しています。その為、上の写真で言えば、信号機の色を認識します。路面の歩道の模様や、路面の速度表記も表示します。片側一車線のよくある道路だと対向車が画面上で向かってくる表示もされ、信号待ちで停車中に至っては歩道の人が画面上で歩いたり自転車が道路を横切ったりも認識しています。すごかったのは、交通整理をしている旗を持った整理員の顔の動きだって左右に画面のグラフィックは表現したのです。極端ですが画面見ていても運転出来そうなほど。ディスプレイ上に交通状況をリアルに表示してきます。しかも、ギクシャク感なく滑らかに。

・テスラには専用のスピードメーターはありません。この15インチ画面に表示されます。他には、ウィンカーを出せば、出した側のカメラ映像が映し出され、ドアミラーの目視と併せて、右左折時の巻き込み確認が出来ます。エアコンもこの画面でコントロールします。もちろんオーディオも。オーディオもまるでパソコンのアプリのようです。音楽アプリ「Spotify」や動画配信の「Netflix」だってデフォルトで備わっています。これらを利用するにはアカウントをお持ちの方は直ぐに使えますし、そうでない方も加入すれば楽しめます。他にもゲームアプリもあるので、スマホかパソコンの扱いです。

スタッフの方に質問したのですが、「もし、日本で本格的な自動運転が出来るようになったら、Netflixで映画を観ながら移動できるのか?」と。回答は分かりません。でした。現状は、停車中に鑑賞するのがやっとのようです。

・テスラにはナビゲーションシステムが搭載されています。専用のGoogleMapです。

・あと、フォルクスワーゲンも搭載してほしいなあって思っていますが、ビルトインのドライブレコーダー。4カメラが前後左右、走行状況を記録をしています。しかも、車両本体価格に含まれているので、オプションで追加の検討要らず。

シート素材は本革ではなく環境に配慮した素材

◇車内空間はとてもシンプル。ボタン類、スイッチ類がとにかく無くて、スッキリしすぎてて、操作に不安になりそうです。逆に多分、スイッチやボタンが多すぎても戸惑うのでしょうが。。。でも、スッキリしているといえば、取扱い説明書が無いスマートフォンも同じかもしれませんね。

車内といえば、運転席の頭上から後席の更に後方まで広がる一枚モノのガラスルーフ。私は嫌いじゃないのですが、眩しいとか、日差しが暑いなど、苦手な方も多いと思います。テスラはフォルクスワーゲン車のガラスルーフよりも濃いスモークガラスを採用して、眩しさや暑さを軽減させているようです。その為か、電動のサンシェードが付いてないのです。確か、純正オプションで「はめ込み式」のサンシェードが設定されています。季節によって設置できる仕掛けです。

(ドライバーはともかく、濃いガラスルーフ)

◇テスラのメンテナンスって、どうなってるんだ?
スタッフさんに伺いました。※会話内容は少しアレンジしています。

わたし:
「わたし、岐阜が住まいで、通勤含めて岐阜市周辺が主な行動範囲なんです」
「オフィシャルサイトで確認したんですけど、岐阜にメンテナンス工場無いですよね?」
「確か、名古屋も協力工場?ですかね、それがあるくらいだったような」
「車検や点検など、メンテナンスってどうなってるんですか?」
「最近、岐阜市でもテスラを見かけますが、皆さんどうされているんですかね?」

スタッフさん:
「確かに岐阜はメンテナンス工場はありません」
「このショールームですらメンテナンス設備を持っていない位ですから~」
「テスラのメンテナンスの一部は、車両に搭載されている通信モジュールで遠隔操作で行います」
「また、スマホアプリにひな壇形式でメンテナンス依頼を入力していただいて送信します」
「テスラ側でそれら内容を把握し、技術者が現場で対応する事もあります」
「点検や車検は最寄りの”指定整備工場”で受けていただくイメージです」
「例えば、関東ではオートバックス様とメンテナンス提携が始まりました」

わたし:
「ということは、正規ディーラーでメンテナンスを希望したくても、そもそも工場無いので、それらオートバックスのような量販店などで十分ってことなんですね?」

スタッフさん:
「そうですね、電気自動車なのでエンジンオイル交換ありませんし、タイミングベルトも付いていませんから、交換の概念がありません。もし作業らしい事でクルマを入庫するといえば、ワイパー交換やタイヤローテーション程度の軽量作業ですよね、それらなら国が認定したお住まいで最寄りの指定整備工場で十分対応出来ますから」

「テスラのメンテナンスはオンライン作業がメインとなります」
「システムをアップデートなどで車両のコンディションを最適化させています」


わたし:
「電気自動車になると、部品点数が少ないからあまり機械的な部品を工具もって修理って感じじゃないってことですか?それは、すごいですね」

スタッフさん:
「ですので、岐阜の方にも多くテスラをお乗りいただいています」


まあ、こんな感じのやり取りをスタッフさんと交わしてきました。

(試乗を終えたModel Y)

メンテナンスに関しては、他にも出張修理では出来ない作業はどうするのか?や、交通事故を起こした時の修理先の話などもお聞きしています。


メンテナンスに関しては、極力他のアフターサービスを利用していただき、重要なメンテナンスは車両との通信技術やスマートフォンを手段に、他の自動車メーカーに無い先進的なアフターサービスを提供している。それがテスラらしさ、なのかな?

◇テスラの購入はオンラインのみ
クルマの事、アフターサービスの事が分かってきたら、後は購入「するか」「しないか」の判断ですね。

テスラのショールームでは商談は行われません。

パソコンが置かれたデスクは2卓。確かにありましたが、そこでは自宅で見たテスラのオフィシャルホームページを見て機能や装備を確認する程度です。例えば、従来の店舗のようにスタッフさんが注文書を印刷して、認め印を押して。。。なんて、行われないのです。

皆さまのパソコンやスマホから必要情報を簡単に入力、その後クレジットカード情報を入力して、手続き終了です。クレジット情報は、受付金みたいな感じで確か¥10,000程度です。これで送信すると、生産の列に並ぶことが出来ます。スタッフさんによれば、実際に購入判断を行うのは、希望車両が生産間近になった時に判断するそうで、受付金は返って来ませんが、生産間近までは「購入キャンセル」出来るそうです。

数百万のお買い物を、サラッと画面で申込です。
簡単です。

皆さん、いかがですか?
いつでも、どこでもクルマを注文できますよ!
それがテスラの販売スタイル。

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フォルクスワーゲンもいよいよ電気自動車の取扱いを始めます。
電気自動車で先行するテスラ。
何かと電気自動車の話題は多くのフォルクスワーゲンオーナー様も気にされていますね。

今回、テスラのショールームを訪れて分かったことは、
今までにない販売・メンテナンスのスタイル。

テスラがスゴイのは、分かったのですが。

ただテスラというより電気自動車が、かもしれません。
今後、日本でも各メーカーから電気自動車が登場し、徐々に普及すると思います。

また、テスラのように新しい自動車メーカーが現れるかもしれませんね。
実際、中国のBYDが2023年に日本で登場します。


購入を検討される側は、たくさんの製品から選べるし、スマホ画面一つで買いやすい環境が整っています。
電気自動車を所有しても、従来のエンジン車よりメンテナンスに必要な時間が大幅に減るようです。


ということは、電気自動車が普及すると。。。

あれっ!?ひょっとして販売店、修理工場が要らない?
えっ!?従業員も、ひょっとして要らない?
アルバイトさんで十分?

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