※ブログ公開が2024年に入ってしまいましたが、乗車したのは2023年12月上旬です。
先日、岐阜新聞朝刊に載っていた記事。「自動運転バスの運行」の話題です。
岐阜市中心部、市街地を今後5年間にわたり運行させる内容が書いてありました。
しかも、実際に人を乗せて運行され、一般市民も予約申し込みで乗車できるとの事。
早速、申し込みを行って、休日に乗車してきました。
乗用車でも自動運転の制御レベルはあるものの、単語で「自動運転」というコトバは身近になってきた感はあります。ただ、完全に自動で走行するというのは、まだまだ「未来の乗り物」。一般的に広がるのはもうちょい先なのかって私は思っています。
近い将来、運転手さんのいないバスに乗って移動する日が来るのか、どうか。
まずは、現状の自動運転を体験してみます。
絶好の乗車日より!!
予約の当日は、風も穏やかで良いお天気でした。
「信長様」もピッカ、ピカ!そう、大河ドラマで話の中盤まで、更に映画の「首」でも、信長様が登場していましたね。特に映画の、加瀬亮さん演じる信長様は、尾張弁とキャラクターが重なって、メチャ怖かったです。
信長様の話しは置いといて、
そんな、ランドマークに存在感のあるJR岐阜駅。バスの出発点は、岐阜駅から乗車します。
自動運転のバスは小型の専用車両
定員が10名ほどだったので、小型だということはイメージしていましたが、実際ホントに小型でした。停留所には専用のスタッフさんが予約確認や乗車案内をしてくれました。さすがに、そのあたりは無人ではなかったので、安心して乗車しました。
既に、他の予約の皆様は乗車済みで、出発時間11時を待つばかりでした。
車両は、フランスのメーカーで、電気自動車です。
岐阜市は3台の車両で運行するようで、乗車日は「市内中心ルート」の1台で運行でした。
乗車して、空いている席に掛けたんですが、ああ、そうだ、自動運転の車両だもんな~って、
最初に感じたのが、バスのシートレイアウト。
ハンドルも無ければ、ブレーキペダルも無い。そもそも運転席が無いので、この車内は乗客用のシートが中心です。一席オペレーターさん用のシートが乗客用シートと同じ並びである位。両開きの乗降ドアに対して「コの字」に向かい合って座ります。
ゆっくり出発進行!
公共の乗り物でバスの自動運転は初体験になります。さあ、定刻通り岐阜駅を出発、市街地へ走り出します。
気になった事は、同乗のオペレーターさんとシステム導入元のスタッフさんに、運行に支障が出ない停車時にいくつか質問しました。口頭ですが、問答です。
Q、自動運転の制御は、ライダーセンサーだけの制御ですか?
A、ライダーも使っていますが、カメラも使っています。
Q、自動運転は信号の色も判断していますか?
A、いいえ、現在はオペレーターが信号に対しての進行判断を行っています。今後は、各信号機にセンサーを設置していくので、自動化の予定をしています。
Q、岐阜市の5年運行計画で、その信号機の判断も自動化されるって事なんですね?
A、はい。今は仮に信号が青であっても一旦決められた停止線で止まるルールに設定して有るので、同乗のオペレーターが交差点に差し掛かったら、信号が変わらない(青信号から赤信号)ことを判断して、”進行”の指示を車両に出して運行しています。
今後、センサーが付いて信号機との通信が行われるともちろん自動化されますが、
例えば「信号に差し掛かって、このあと3秒後に信号が”青”から”赤”へ変わる情報を受け取れば、停車。5秒後に”赤”へ変わるのであれば通過のような情報を自動化に取り入れます。
自動運転のサポートはゲームのコントローラー!
このバスには「運転席」が存在しなくて、ハンドルもブレーキも当然無いのですが、オペレーターさんが乗客と同じ並びで自動運転のサポートしています。
先ほどの、信号機の進行判断やその他車両の制御が必要になった時は、写真のようにゲームコントローラーで操作します。バスといえば、でっかいハンドル、でっかい操作レバーをイメージしますが自動運転化されると要らないって事ですね。
オペレーターさんは、専門のライセンスを取得した方で、常に全方向の交通状況や車両周辺のカメラ映像、自動運転の制御状況を把握しながらの操作で、操作の様子を見ているとけっこう忙しくコントローラーを送させれていました。自動運転なのに意外と交通ルールが厳しいから、「要の判断」は人間が結局やるしかないようです。
中心部ルートなら、日常的に運行中!
そんな、自動運転のバスですが5年計画の長期運行です。ポスターの情報を参考にルートを確認しましょう。「市内中心部ルート」と「岐阜公園ルート」の2コースがあります。「岐阜公園ルート」は土日中心の運行で、運行距離も長い事もあり、一日の本数が少ないです。
一方、「市内中心ルート」は平日運行があって、しかも運行本数も多いのが特徴です。
私は12月に2度目の乗車をしました。最初の乗車は個人的な興味があって一人で乗車。二度目は、息子に乗せたかったので冬休み中の年末に。
二回ともに専用のバス停留所「岐阜駅」から乗車して、メディコス経由の「高島屋前」で下車しました。
一回目の乗車には他県からこのバスを目的に来られた人がいて、話題性の高さを実感しました。二度目の乗車も途中まで満員でした。オペレーターさんの話しによれば、最近認知度が上がってきて、地元の方が通勤や買物の足で使う人が増えてきたそうです。
ライダーセンサーの画面が面白かった
このバスは三次元と二次元の「ライダーセンサー」を2個使って自動運転の制御の一つに使っているそうですが、車内に縦型ディスプレーにはそのセンサーが捉えた情報が可視化され映し出されています。
私にとってこの画面が新鮮で興味深かったです。
バスが動き出すと、レーダーが捉えた画像が風景と同時に映ります。当然なんですけど。
けっこうリアルで、歩道の人や追い越していく路線バス、対向車など周辺の状況をセンサーが把握しているんだーって思うと、自動運転技術はどんどん進歩するでしょうね。
でも、バスが急にストップするシーンが2度ありました。
バスの決められた走行軌道に対して、歩道から街路樹の枝葉が15センチ程飛び出ていたのに反応したからです。バスの車内からその枝葉を見たのですが、ほんの少し道路上に垂れ下がっているだけだったのに。でもバスのセンサーはそれに反応したのです。オペレーターさんの説明によると、その枝葉が5センチ短ければ、バスは徐行で枝を避けるそうです。でも枝葉も風で揺れてゆらゆらしていたら、バスはいったいどう反応したのでしょうね。
もし同じ状況で人間が運転していたら、止まることなく、徐行まで減速せず、微妙な速度と距離を保って通過しちゃうのかなあ。
自動運転のバスだと、「通過」か「減速」か「停車」のどれかで走るって事なので、枝葉の飛び出しに対して、いちいち止まることになっては、なかなか定刻通りの運航は困難かもしれませんね。バスに人間の「微妙な」って感覚の領域を持たせると、もっとスムーズに走行してくれるのかもしれませんね。
まだまだ乗り越えるハードルはいっぱい
自動運転のバスに試乗するって、ただただバスに乗っているだけのつまらない体験ではなかったです。
皆さまにも、機会が有れば体験してもらうと実感します。
人間って、クルマの運転中に、たくさん同時に判断や操作をしているんだ。って。
私が感じたのは、自動運転化って大変なんだ、って事でした。
例えば、上の写真です。
降車停留所を「岐阜高島屋」にしたのですが、なんとなく想像つきます?そう、高島屋さんの前って路駐が多いですよね。案の定、一台停まっていました。結局、自動運転バスは停留所に近づけず、私は歩道から二車線目の路上に降りる事に。後方からクルマが来やしないか慎重に下車しました。先ほどの枝葉の飛び出しの件もそうですが、何かと安全とスムーズな運行を自動運転で両立させるにはたくさんの課題がありそうですね。
もちろん海外では既に先進的な技術でしかも実用的に自動運転化が始まっているのかもしれませんが、このバスに乗る限り、街の中で乗り物が無人で行き交う時代って、もう少し先の風景なんじゃないかな。とも思いました。
でも技術の進化が急激進めば、数年先に自動運転が実現レベルまで進むかもしれませんね。
どこまで進化していくのか、今後が楽しみです。
岐阜市の自動運転バスは予約乗車が必要です。
「Lineアプリ」から乗車予約が出来ます。
操作は比較的簡単でしたから、気軽に乗車できると思います。
◆下記リンク先:岐阜市のホームページ
GIFU HEART BUSの5年間の継続運行がスタート!|岐阜市公式ホームページ
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